1ヶ月ほど前だが、オンラインメディアに関して、Lightspeed(アーリーステージのIT企業に投資するVC)のJeremy Liew氏が投稿した記事がちょっとした議論を呼んだ。後ろ向き系の記事だが、参考にメモ。
Three ways to build an online media business to $50m in revenue
VCの興味を引くには5000万ドル規模の売上高が必要。でも、それだけのオンラインメディアビジネスを育てるのはと難しい。どれくらい難しいかっていうと、これくらい難しい↓
<モデル1>ジェネラルなサイトの場合(一般的なSNS、コミュニケーションサイト、ニュースサイトなど)
こうしたサイトではターゲットを絞った広告は難しく、Run-of-Site、Run-of-Network型の広告を実行することになる。RPM(1000インプレッション当たりの収益)は1ドル程度。つまり、売上高5000万ドルを達成するには年間500億(月40億超)のPVが必要。
参考:Comscoreの調べでは、2007年1月のBeboのPVは34億(米国第10位)。
<モデル2>特定の人口集団を対象としたサイトの場合(ラテン系ポータル、スポーツサイト(=男性向け)、ベビーブーマー向けSNSなど)
RPMが5ドルとすると、売上高5000万ドルを達成するには年間100万(月8億以上)のPVが必要。
参考:Comscoreの調べでは、2007年1月のMicrosoftのPVは7億9200万(米国22位)。
<モデル3>特定の属性を持つサイトの場合(映画スタジオ、自動車メーカー、ホテル、航空会社、オンライン旅行代理店等が広告を出したいと思うようなサイト)
特定の商品に関心を持つような、明確な属性を持つオーディエンスがいるサイトなら、容易に二桁のRPMは達成できるはず。たとえばRPMが20ドルとすると、売上高5000万ドルを達成するには年間25億(月2億以上)のPVが必要。
参考:Comscoreの調べでは、2007年1月のAdelphia.comのPVは1億9800万(米国125位)。
もちろん、不可能というわけではない。モデル1にはBeboやMyspaceという実例があるし、他にもTagged, Hi5, Piczo, Xanga, Netvibesといった前途有望なサイトはある。
モデル2の最も良い例はFacebook。
しかし、現在の新興企業にとって最も実行可能なのはモデル3のアプローチ。 ポイントとしては、広範なアピールとマーケティング予算を持った市場に焦点をあてること(旅行、自動車、医薬品/ヘルスケア、映画など)。もうひとつはそれぞれの規模は小さくても、たくさんの市場を狙うこと。